Home / 海外犬舎訪問 / Stargus Airadales
今回の海外犬舎訪問は、日本でもおなじみの英国を代表するスターガス犬舎です。同犬舎のオーナーであるLesleyとGusは私と同世代で、ロンドンから北東部に列車で1時間程行ったKelbedonという駅近くの田舎町にエアデールとウエルシュテリア達と一緒に生活しています。
そんな彼らに今回改めていくつかのインタビューをしてみましたので、それをご紹介しましょう。

Q1. 今、何頭のエアデールがいますか?
今現在エアデールテリアは8頭です。それ以外にウエルシュテリアが1頭いますが、もうじき2頭になります。

Q2.あなたはどのようなきっかけで、いつ頃ショーを始めましたか?
1977年からです。 犬を飼おうと決めたとき、夫のGusは犬種探しのためのいくつかのルールを決めました。そんなに小さくなく、家の中で毛が抜けないこと。また、私はみんなが持っているような犬は欲しくありませんでした。
 ある日、私は通勤途中にエアデールを見ました。それがきっかけで私はエアデールの仔犬探しを始めることとなり、その後、偶然にも私はジョッキル犬舎から仔犬を手に入れることができました。 たまたまその当時の私の隣人がダルメシアンでショートレーニングクラスに参加していました。だから私も自然にそのクラブに入ることとなりました。私たちのショーデビューはサウスオブイングランドエアデールクラブでした。


Q3.あなたはこれまでに沢山のチャンピオン犬を生み出して来ていますが、その中で最も印象的な犬は誰ですか?
とても難しい質問ですね。あえて挙げるとしたら、CH.Stargus Sea King、ch.Stargus Kingof Scots、Ch.Stargus Galileo、Ch,Stargus Athenaの4頭でしょう。
Sea Kingはスターガス犬舎の初代チャンピオン犬です。どんな犬が最高の場面で勝つことができるのか、また自分の犬を如何に良く見せるか、そのためには沢山の努力と時間が必要であるということを彼は私に教えてくれました。

King of Scotsは私たちの二番目のチャンピオン犬です。彼は英国でチャンピオンを完成させ、その後アメリカで数々の記録を作りました。彼はエアデールに関する私たちの見識を世界レベルまで広めてくれました。

Galileoは今オランダにいて、色々な国でスターガスという名前を広めてくれています。また彼はスタッドドッグとしてとても人気があり、同時に偉大な結果を残しています。

でも、やはり私は最も印象的な犬としてAthenaをトップに置きます。彼女は他のどの子よりも少しだけ私の心の中でワンランク上にあります。
彼女は素晴らしいtemperament(気質;Lesleyいわく、牝でこれを継続して維持していくことはとても難しい)を持っていました。彼女はショーリングの中でも、また家でも明るく、いつも自分自身を楽しんでいました。歩く姿も静止時の姿も彼女は実に見事でした。彼女こそ、移動時にもトップラインを維持することができる非常に数少ないエアデール達の一頭です。彼女は自分自身をよく知っていました。ショーのリングの中では自分がいつもボスであることを。そして彼女と私はとても良いコンビであったことを。

Q4.あなたの日常の生活パターンはどのような感じですか?一日にどのくらいの時間を犬のために使いますか?
私は週3日、ロンドンでフルタイムの仕事をしています。この間、夫のガスがケンネルの面倒を見てくれます。私にとっての幸運は、彼もトリミングできるということです。
夫のガスは朝の7時に犬達を外に出します。犬達はそれぞれの決められた大きなドッグランに出ていき、そこで朝食を食べます。みんなが食事をしたり、水を飲んだりしている間に、ガスはケンネルの掃除をします。
犬達のトリミングは午後です。また、ガスはこの間にケンネルの修理をしたり、その他の用事をこの間にすませます。
私は火曜日、水曜日 木曜日の3日間は通常午後7時には帰宅し、7時半から10時30分頃までトリミングをします。週末はショーに行くかトリミングをしているか。また、この間に色々な仕事を片づけます。

Q5.良い犬を作るための食事について。あなたは子犬、若犬、成犬、それぞれに何か特別なものを与えますか?
成犬には牛の腸とペディグリー、ロイヤルカナンなどのドライフードを与えます。また、オイルコートサプリメント等も使います。
仔犬たちには新しい飼い主達のために色々な食べ物を与えます。ミンチ状の牛の内臓、山羊のミルク、子犬用のペディグリーコンプリートなどです。

Q6.ブリーディングについて。一年間に何回ぐらい繁殖をしますか?繁殖に関して何か独自のノウハウ、アイディア、意見がありますか?
繁殖は通常一年に1-2回しかしません。時にはエアデールが2回、ウエルシュが1回というケースもあります。
私は全て私自身の考え方やアイデアに基づいて繁殖を行います。単にチャンピオンであるとか、またはトップウイニングドッグであるからといって、安易にその子を繁殖相手に使うようなことは決してしません。私が初めて繁殖した時など、私は相手を選ぶのに1年かかりました。そして、その時選んだのがSiccawei Galliardでした。私は彼を写真でしか見たことがありませんでした。というのは、その当時彼はショーの世界からすでに引退していたからです。彼を初めて見たとき、私は決してがっかりはしませんでした。
最初に私はその犬が牝犬に何を与えることができるかがを考えます。それから血統書をよく見ます。Sea King は完全なアウトクロスにより作られた犬でした。そのせいか彼の同体犬の中で彼以外に特にこれといった子はいませんでした。

 

ラインブリーディングは理想的な繁殖方法です。親子同士とか異母兄弟同士とかいった非常に血縁関係の近いインブリーディングは、繁殖の十分な知識があって初めて行うべきです。また、クオリティの高い犬と同様にそうでない犬も生まれるかもしれないことをよく知っておくべきです。
繁殖は思ったようにうまくいかないときもあります。でもその失敗から何かを学び取ります。私は少しでも今自分が持っている犬よりも、クオリティの高い子を残すようにしています。

Q7.あなたの夢は何ですか?クラフトでベストインショーを取ることですか?
私はいつもパーフェクトなエアデールを作出することを夢見ています。でも、その夢が実現してしまったら、その後わたしは何をすればよいのでしょうか・・・・たぶん私の死後、たぶんガスと私はエアデールテリアの繁殖に多大な貢献をしたと感謝されるでしょう。
もちろんクラフトでベストインショーを取ることは素晴らしいことです。でも私がパーフェクトなエアデールを持ってクラフトに臨んでも、必ずしも勝てるとは言えないでしょう。

Q8.最後に日本のエアデールファンシャー達に一言!
ショーを目指す人たちへ→ショーリングの中では、あなたの犬が如何に素晴らしいかを見せるのに全力を尽くしてください。自分の犬の持つ長所を如何に強調し、逆に欠点を隠すかがポイントです。そのためには自分の犬の長所と同様に欠点をあなた自身が良く認識し自覚することが重要です。
子犬の時にあまりプレッシャーをかけすぎたりハードになってはいけません。エンジョイライフをさせてください。

ペットオーナーの方達へ→十分な手入れをして、そして彼らを十分にかわいがってください。彼らはショードッグではないかもしれません。でも同じような管理と注意、そして愛情を注いでやってください。どうか彼ら自身エンジョイライフが送れるようにしてあげてください。

繁殖を考えているあなた達へ→気質と健康が一番大切です。仔犬たちの大半はペットとして出ていきます。あなたは犬達と生活を共にして、毎日その子達を見るのです。たとえショードッグでも、リングの中は数分の出来事です。そして、ジャッジもその時しか見ません。でもあなた達はその子を庭や家の中で毎日見るわけです。

私は自分のエアデール達を見るのが本当に大好きです。そして彼らのことをいつも誇りに思っています。子犬の時も、成犬になってからも、そして老犬になってからも、彼らに対する愛情はいつも変わりません。ちゃんとしたトリミングした状態の時も、年取ってバリカンの時も同じです。
彼らは全ていい点も悪い点も持っています。でも彼らは全て私のエアデールであり、私の好きなタイプの子達なのです。でも、いつも私は次の理想的なエアデールのことを考えています・・・・